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マンション大規模修繕の進め方を徹底的に解説

工事を終えて

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さて、そういうことで工事もいよいよ完了の運びとなりました。

長かった大規模修繕もついに終わったんだね。

いや、まだ終わりじゃない。いろいろと後片付けが残ってるんだ。
次回の大規模修繕のために今から仕込みをしておかないといけないし。

工事が終わった後にしなければならないこと

長期修繕計画の見直し

工事が完了したら、長期修繕計画を見直し、新しい内容に更新しておきましょう。
と言ってもその作業はコンサルの仕事になるでしょうが。

ちなみに長期修繕計画とは大規模修繕の予定表でしたね。
○年後に次の工事をして、その時までに○万円ためて・・・といったことを書いておくもので、 マンションには必ず無ければいけないものです。

工事を終えた直後の今が長期修繕計画を更新する絶好のチャンスです。
今なら建物の状態が正確に把握できているので、精度の高い計画を作ることができるからです。

竣工図の保管

契約書や施工図といった各種の書類を工事業者から受け取ります。
アフター保証を受けるためにも必要な書類なので、管理組合で大切に保管します。

アフター点検の実施

本当に工事が正しく行われたのかは、時が経ってからでないとわからないものです。 施工後しばらくして見つかる不具合もあるので、管理組合は定期的な検査を行います。 検査の結果、施工不良が見つかれば、その分は無料で直してもらうことができます(保証期間内であれば)。

と言っても不具合が業者の施工不良によるものなのか、それとも単なる経年劣化に過ぎないのかを管理組合で判断するのは困難です。

工事業者とすれば、無償で修理を行わなければならないアフター保証はできれば避けたい仕事です。 本当は施工不良が原因であるにも関わらず、管理組合をうまく丸め込み、ただの経年劣化ということにしてしまう場合もあります。

ここに「コンサル方式」のメリットの1つがあります。
この方式であれば、専門家がアフター点検にも立ち会うことになるので、プロの目で不具合箇所のチェックができます。 工事業者の責任を見逃しません。

ただし注意が必要なところですが、コンサルタントが100%管理組合の味方なのかと言えば、 残念ながらそうとも言い切れない現実もあります。

というのも工事完了後に施工不良が見つかるのは、実はコンサルティング会社にとってもあまり嬉しいことではないからです。 その施工不良を工事期間中に見つけることができなかったという点でバツの悪い思いをするし、 もしも設計が原因で起きた不具合であれば、直接的に自分たちの責任になってくるからです。

コンサルと工事業者が裏で手を結んでなぁなぁで解決を図ることもありえます。
管理組合としてはあまりパートナーを信用しすぎないことも必要かもしれません。

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【目次】 コンサル方式の大規模修繕
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  1. 3-1. まずはパートナーを選ぶところから
  2. 3-2. 信頼できるパートナーの選び方
  3. 3-3. 建物診断をしよう
  4. 3-4. 設計をしよう
  5. 3-5. 業者を選ぼう
  6. 3-6. 見積りを取ろう
  7. 3-7. 総会決議を採ろう
  8. 3-8. 説明会を開催しよう
  9. 3-9. 工事の開始
  10. 3-10. 工事を終えて  ←Now
  11. 3-11. コンサル方式のまとめ