長谷工コミュニティってどんな会社?
港区に本社を置く、「マンションのことならは・せ・こう」の長谷工グループの管理会社。ゼネコン系。1978年設立。
2025年現在、受託戸数は412,768戸で業界No.4。従業員数は7012名。
母体の長谷工が大規模開発を得意としていることから、長谷工コミュニティの管理する物件も大型マンションが多いのが特徴。 スカイハイツ、モアクレストといったブランドマンションがある。
また、ゼネコン系だけあって工事の技術力をアピールする会社でもある。
同社ホームページを見ても修繕の話題がかなり多い。
個性に乏しい会社の多い管理業界の中で自社のセールスポイントを積極的に打ち出す戦略は効果的かもしれないが、 一方では管理会社が修繕に積極的になることを嫌がる管理組合も少なくないので、アピールとしては一長一短といったところか。
イダケンと長谷工コミュニティ
長谷工コミュニティの物件は、6件ほど関わったことがあります。
印象としては、社員教育がしっかりしている会社です。フロントマン、管理員、全般的に。 ホームページには研修が充実しているとありますが、まぁそうだろうと思います。
一方で、やや融通がきかないところも。
「うちはこういうやり方です!」という姿勢であり、管理組合の要望に柔軟に対応してくれるという風ではないかもしれません。
管理組合が不満を持ちやすいのは修繕関係で、大規模修繕、日常修繕、どちらも割高と感じます。 ゼネコン系管理会社だけあって大規模修繕への関心が強く、グループ会社の長谷工リフォームに工事を任せることが既定路線。
かつては、大規模修繕を他の工事会社に任せようとすると、うちは協力できないので、管理組合ご自身でコンサルを雇うなりして行ってください、と言ってくる会社だったと思います。他社のコーディネートは基本的にしなかったはず。
(同じスタンスの管理会社としては大京アステージがあります)
そのため、大規模修繕を管理会社任せにしたくない管理組合から、相談を受けるケースが多かったです。
それが今はどうも他社の工事にコンサルとして入ることもあるようです。
(それともイダケンが気付かなかっただけで、昔からそうだったのでしょうか。)
しかし、2025年の3月に、長谷工に公取(公正取引委員会)が調査で入りました。その理由が大規模修繕に絡んだ談合疑惑なので、そうなると管理組合としてはここに大規模修繕のコンサルを頼むのは抵抗があるということで、イダケンにコンサルとして入ってくれないかという相談が来るようになりました。
結局、今も昔も大規模修繕絡みの相談が多いのです。
管理している物件は100戸以上の大型マンションが多く、小さな物件の獲得には消極的な印象。 リプレイスにあたって見積もりを頼んでも、辞退されるかもしれません。
大型マンションを1つの街のようなコミュニティにしたいとの気持ちが強いようで、『あるフォーラム』という管理組合の親睦会を推進しています。
お金がかかることもあり、そういうものに興味がないマンションからは嫌われ、『あるフォーラム』も廃止されてしまうのですが、一方でそういうのが好きなマンションでは大成功し、何百人も集まる地域のイベントを管理組合が主催したりしています。
私見ですが、東京や神奈川にもそれぞれ地域性があり、中央区、江東区、神奈川なら川崎の工場エリアなどは、今も地域コミュニティを重視する向きが強いと感じます。そうしたエリアでは『あるフォーラム』、はまるかもしれません。
そういうウェットな一面を持つ会社が長谷工ですが、しかし、今も昔も我々マンション管理士のようなコンサルに対してはドライです。どうも拒否反応が強いようで、以前よくリプレイスの候補先の1つとして声をかけていましたが、見積もりさえ出してもらえませんでした。
管理組合に対しても、昔はよく話を聞いてくれたのですが、今は採算の厳しいマンションをドライに切ってくる姿勢に変わってきたと感じます。あまりウェットではありません。
- 長谷工コミュニティのホームページ
- 高層住宅管理業協会(←管理会社の業界団体)における同社の紹介ページ