東急コミュニティーってどんな会社?
世田谷に本社を置く管理会社で、1970年設立。
「コミュニティ」ではなく「コミュニティー」。
従業員数は2024年時点で10,276名 (内、マンション管理部門は6,781名)。
東急不動産グループの一員。
母体は東急電鉄のため、インターネット等で「某鉄道系管理会社」といった表現が使われるときは、同社を指している場合が多いと思われる。
2025年現在、受託戸数は473,527戸であり、業界の第2位。
大京アステージと並ぶ業界のパイオニアであり、
同社の業務システムを模倣した管理会社は多いとされる。
今は廃止しているが、かつては東証一部に上場していた。
代表的な管理会社の中で上場しているのは日本管財(東証プライム)ぐらいであり、受託戸数の多さ、実績と合わせて業界で大きな存在感を持っているのは確か。
会社の格を重視する管理組合から好まれる傾向がある。
受託戸数ランキングの万年3位だったが、2021年に独立系大手コミニュティワンを吸収し大幅に受託戸数を増やしたことで、ランキング1位となった。しかし2024年のランキングでは2位に転落。
デベロッパー系管理会社でありながら、かつてはリプレイスに力を入れており、同社のHPにおいてリプレイスで獲得した物件の多さをアピールしていた。
とはいえ現在はもはやリプレイスに関心を失っているように見える。
イダケンと東急コミュニティー
東急コミュニティーの物件は、13件ほど関わったことがあります。
印象としては、社員にきちんとした人が多いです。コンサルとして、社員の対応で不快な思いをさせられたことはありません。
管理組合からの不満で耳にするのは、「対応が遅い」、「壊れた箇所の修繕が遅い」、「緊急コールセンターがつながらない」など。
中でも、「緊急コールセンターがつながらない」は、わりと東急コミュニティーに顕著な特徴であるとイダケンは感じています。本当によく耳にします。今年(2025年)もまたそういう声を聞きました。
「つながるけれど対応が遅い」ではなく、「そもそもつながらない」という声を聞くことは、他社ではなかなかありません。 「緊急」コールセンターなのですから、改善が必要でしょう。
さて、ここからが重要。
現在この東急コミュニティーは一部の物件に非常に大きな値上げを迫っています。
東急はコミュニティワンなどの他の管理会社を吸収して受託戸数を増やしたのですが、 そうした「外様」の物件は、委託費が安めに設定されていることが多いため、そういうマンションに値上げ提案を行い、 受け入れられなければ契約を切ることも辞さずという姿勢でいます。
多くの管理組合が東急のこうした姿勢に当惑しているようです。 今年(2025年)の総会シーズンには、2日おきぐらいに東急の件で多くの管理組合から相談を受けました。
今もっとも目立っている(波乱を引き起こしている)管理会社といって良さそうです。
たしかに元コミュニティワンの管理物件は、私から見ても委託費が安すぎることが多いです。 値上げするのは致し方ないことでしょう。
しかしその値上げ幅がいくらなんでも高すぎるのです。 上昇するコストをまかなうというレベルを超えて、昨今の値上げブーム(?)に乗った単なる便乗値上げではないのかと感じてしまいます。
今のところ東急は、交渉には応じるという姿勢でいます。 つまり、管理組合がまったく値上げに応じないのであれば契約を切るが、値上げ幅については妥協の余地がある、という姿勢です。
このあたり、交渉の余地を与えようとしない住友や三菱とは違います。そこはまだ救いです。
イダケンは今年に入り、東急関連で2件の依頼を引き受けました。 そのうち1件は交渉により値上げ幅を抑えることで解決し、もう1件はリプレイスとなりました。
- 東急コミュニティーのホームページ
- 高層住宅管理業協会(←管理会社の業界団体)における同社の紹介ページ